05. Spiritual Space
Reflections on culture, spirituality, and the invisible dimensions of space.
05. 精神の空間
文化と精神性を通して、空間に潜む見えない次元を探る。
05. 精神空间
从文化与精神性出发,探索空间中不可见的维度。

この段階において、空間はもはや現実の場所や記憶の器、あるいは心理的投影ではなく、精神世界へと向かう媒介となる。神社や屏風といった文化的象徴は、信仰・時間・存在をめぐる視覚的メタファーへと変換されている。王五龍は、空間を通して人間と歴史、自然、そして目に見えない精神的経験との深い結びつきを探求している。

屏風の向こうには、それぞれの物語がある

キャンバスに油彩

60×100㎝ | 2019

《屏風の向こうには、それぞれの物語がある》は、王五龍による空間構造と心理的知覚への探求をさらに発展させた作品である。画面に現れる幾何学的な形態は、建築空間の壁や屏風を思わせる一方で、舞台装置のような印象も与える。重なりや遮蔽、分断によって多層的な空間関係が生み出され、鑑賞者の想像力を誘発する。作家は明確な物語を提示するのではなく、空間そのものを比喩として用い、それぞれの境界の向こう側に記憶や経験、語られない物語が存在する可能性を示唆している。抑制された色彩と明快な構成によって、顕在と潜在のあいだに広がる精神的な空間が描き出されている。

《神社》は王五龍による「精神景観」シリーズの出発点となる作品である。作家は長年探求してきた建築空間への関心を引き継ぎながら、形式や構造そのものを超え、文化や精神性への探求へと歩みを進めている。画面の赤い空間は日本の神社建築を想起させ、静謐で荘厳な雰囲気を生み出している。また、奥へと続く細長い通路は、現実世界から内面的な精神世界へ向かう旅路を象徴している。作家にとって神社は単なる建築ではなく、日本の美意識や信仰文化を理解するための入口でもある。

神社

キャンバスに油彩

60×50㎝ | 2025

・精神空間 ・神社シリーズ ・日本美学 ・侘び寂び ・もののあわれ ・幽玄 ・文化的記憶 ・精神風景 ・東洋美学 

文化的記憶と精神空間をめぐる探求は、現在も続いている。